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【風邪の予防と漢方治療について】
ポプラ治療院のホームページにアクセスしていただいた皆様、大変お待ちどうさまでした。本日より漢方情報を少しずつ定期的にお届いたしますので、今まで以上にこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
さて、私の周りに風邪に罹っている人が多く、これから風邪の季節ということもあり、風邪の予防と漢方治療について取り上げることになりました。
それでは、今回のテーマである風邪の予防と治療についてお話します。
最近患者さんより、「季節の変わり目によく風邪をひきます。漢方薬を飲みたいのですが、何を選べば良いのか教えてください。」と質問されます。
そこで、今回は、簡単に自分で選べる漢方薬と予防に漢方薬を、でご紹介します。
まず、漢方薬をえらぶためには自分の体質がその漢方薬に合っているのかどうかを見極めなければなりません。体質が合ってなければせっかく漢方薬を飲んでも、風邪は直りませんし、逆にもっと体調を壊すことになるかもしれません。
どうしてこんな事が起きるのかについてすこしお話しておきましょう。
漢方薬には、上薬(じょうほん)、中薬(ちゅうほん)、下薬(げほん)の三つのタイプがあります。上薬は、薬理作用が弱いか割に副作用もなく、毎日長期間に亘って服用して体質を改善させたり、他の薬の副作用を軽減させたりする時に使います。
中薬は、大量に服用すれば副作用が出る薬で、少量を短期間服用し、一時的に体質を改善させて、病態の悪化を防ぐときに使います。
下薬は薬理作用も強いが副作用もしばしば出る薬で西洋医学で使用されている薬に近い処方と言えるでしょう。
以上、漢方薬は上薬、中薬、下薬をその時の病態に合わせて上手く使用することにより、「病」を治していくのです。
漢方薬に違いがあるのは、お分かりになった事と思いますが、次にどうやって上記の漢方薬を選ぶかが、問題です。そのためには、自分本来の体質と病態をしっかり把握しなければなりません。
漢方では、陰陽論に基づいて、証(しょう)というものをたて、その証にあった漢方薬を処方するのです。
私たち、鍼灸治療師は、望診(ぼうしん)、聞診(ぶんしん)、問診(もんしん)、切診(せっしん)という漢方ならではの診察法を用いて証を判別するのですが、ここでは、そんな事はできませんので、一般的な簡単に証を見極める方法をお教えします。
その前に、少し、証について、お話しておきましょう。
証には、病気の進行状況や患者本人の体質によって、様々な証に分類されます。
陰証(いんしょう)、陽証(ようしょう)、虚証(きょしょう)、実証(じっしょう)、寒証(かんしょう)、熱証(ねっしょう)、表証(ひょうしょう)、裏証(りしょう)、気虚証(ききょしょう)、水毒証(すいどくしょう)、などです。
これでは、全く何の事かわかりませんね。
例えば、陰証、陽証は急性病の進行状態・病気の勢いを示します。虚証、実証は、患者さんお体力、抵抗力の強弱、寒証、熱証は、患者さんの悪寒、熱感、表証・裏証は、急性熱病の病毒、病巣の存在部位、又、気虚証は「気」が停滞した状態、水毒証は、「水」が体内に貯留した状態を示します。
ただこんなことをいくら書いても意味はありません。漢方知識として読んでいただければ結構です。
ここで重要なことはどんな病気でも進行していく過程(発病から治療まで)があり、その経過に応じて病人の症状や病態も変化するという事で、その時の病人の体力や体質と病気の進行状況で漢方薬が決定するということです。
それでは、以上の事を踏まえて今回のテーマである風邪の治療について、考えてみましょう。
まず、風邪がどのくらい進行しているのか(病期)が問題です。
ひき始めなのか、数日経過しているのか長引いているのかです。ひき始めであれば、証は陽証となり、数日系かすれば陰証となってきます。
経過がよく分からない場合は、症状によって判断します。陽証の病期は、頭痛、悪寒、発熱、食欲不振、便秘、腹部膨満等の症状がみられ、陰証の病期は、生命エネルギー、新陳代謝が低下し、体内の熱エネルギーも減少し、元気がなく、冷えが強くなり、体の痛みや手足の冷え、下痢、中には嘔吐もみられます。
病期の証が決まれば、次にその時の病人の体力、体質を考えましょう。体力がなければ、虚証となり、体力があれば、実証となります。これも自分の体力・体質がよく分からなければ、虚証のタイプ、実証のタイプを紹介しますので、自分の体力・体質をあてはめて比較してください。
虚証のタイプは、やせ型で、筋肉弱、首が細い、音声小さく不明瞭、胃腸が弱く、日頃下痢をしやすい、又付かれやすく腹壁が軟弱である事等です。
実証タイプは、ガッチリ型、首が太い、音声大で明瞭、胃腸が丈夫で、便秘がち、発汗しやすく腹壁も弾力性がある事等です。これで大体自分の体力・体質の証が決定できると思います。
以上の事より、風邪の漢方薬をご紹介しましょう。
陽証(風邪のひき始め)で虚証(体力がない)の人は、桂枝湯(けいしとう)、麻黄附子細辛湯(まおうふしさいしんとう)。陽証で実証の人は、葛根湯(かっこんとう)、麻黄湯(まおうとう)、小青龍湯(しょうせいりゅうとう)。
陰証で虚証の人は真武湯(しんぶとう)、紫胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)。
陰証で中間証(この頃はまず実証タイプは殆どいません)の人は、紫胡桂枝乾姜湯、小柴胡湯(しょうさいことう)。
陰証の中の陰証(超陰証)の虚証の人は麦門冬湯(ばくもんとうとう)、竹如温胆湯(ちくじょうんたんとう)、神秘湯(しんぴとう)、参蘇飲(さんそいん)です。
さて、長くなってしまい、若干読みにくかったかもしれませんね。
次回では、今回の内容を補いつつ、風邪の予防と漢方薬の使い方に付き出来るだけ分かりやすくご説明いたします。
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